BESS京滋の森林保全活動実践レポート
前回は「里守隊」の森の環境活動内容と森の現状や仕組みを説明させていただきましたが、
今回は実際に活動させていただいた内容をレポートさせていただきます。
まず、立ち枯れしたコナラの木をチェーンソーで伐採します。
とは言っても、スタッフ全員チェーンソーは初体験。
そこでまずはチェーンソーの使い方から教えていただきました。
切りたい木を決めたら、周りに生えてる小さい木々を処理します。
そして安全や周りの木々の様子を考慮し、木を倒す方向を決めたら、切り口をチョークで書きこみます。
こちらの写真でいうと、左側に倒そうとしています。
まず水平にチェーンソーで切り目を入れ、次に斜めに切り目を入れます。
この切り込みを「受け口」と言います。
次に受け口の反対側のやや上(5cmくらい上)よりチェーンソーを入れていきます。
これを「追い口」と言います。
ここからが難しいところです。
受け口を切ったあと、追い口で徐々に切っていくのですが、この切れ込み具合、角度で、
木の倒れる方向をコントロールしていくことになります。
木が倒れていく様子を目の当たりにして、一同「おおおおお!!!」と雄たけびをあげてしまいました。
Aが受け口、Bが追い口です。
この真ん中の部分を残すことで、木が倒れる方向を決まります。
今度は倒した木をチェーンソーで約40cmの長さにカットしていきます。
細い枝はのこりぎでカットしました。
この切り口をまっすぐにしておくと、この次の薪割り作業がしやすくなります。
さて、このカットされた木を今度は薪に!!!
「薪割り体験イベント」を毎年開催しているので薪割りはお手の物です、と言いたいところですが、
薪割りが初めてのスタッフも数人いましたので、まずは初体験になるスタッフから挑戦しました。
木は手前に置きます。
頭上に力いっぱい振りかぶってから、途中で腰を落とし、腰と一緒にまっすぐに斧も落とします。
最初はうまく薪の中心に斧が落せなかったり、端っこしか割れなかったりと、少し苦戦したものの、
何回か挑戦していくうちにちょっとずつコツがつかめてきました。
スパッ!!!っと割れるのが気持ちいいこと、気持ちいいこと♪
全部の木を薪にできたところで昼食になりました。
お昼ご飯は里守隊のみなさんの手作りの釜で焼いたピザをご馳走になりました!!!
具沢山の本格ピザ!!!
美味しくて、美味しくて、何枚もお変わりしてしまいました。
ごちそうさまでした☆
昼食を終えた後は森を散策しました。
森の奥には小川がありました。
この日はよく晴れたとても暑い一日だったのですが、
森全体の温度は体感的に5℃くらいは低く感じていました。
小川に吹く風がとても心地よくとても癒されました。
今実際にキクイムシに侵されている木です。
キクイムシはこのように木にたくさんの穴をあけて、その粉を外にはきだします。
雄が穴をあけ、雌を呼びます。
そして雌の持つカビ菌が木の中に繁殖していきます。
道管に産卵され、木の道管が詰まってしまい、水が上がらなくなって枯れてしまいます。
ひどくなる前に切れば再生することは可能ですが、手遅れになると木はそのまま死んでいくしかないそうです。
キクイムシはその体調が5mmほどしかない小さな虫だそうで、
その小さな虫がこんな大きな木を枯らしていく事実を知り、衝撃を受けました。
どのようにして木が枯れていくのか、丁寧な説明とともに、実際病んでいる木を目の当たりにして、
森林保全活動の意義や大切さをひしひしと感じました。
散策を終えてから、もう1本枯れている木を、午前中に教わった通り、
チェーンソーで倒して、カットし、薪にするまでの作業を、皆で行いました。
薪割り機も使わせてもらいました。
枯れた木を切ることによって山も若返り、
切った木は薪として薪ストーブに使えます。
参加前は「重労働で少し大変なのかな?」と不安もあったのですが、
森の中は涼しくて、木々の緑も目に優しく、心身ともに癒されました、
なにより、初めての体験ばかりで、とても楽しく、そして有意義な時間を過ごすことができ、
それが森林保全活動に繋がっていくことも嬉しく感じられました。
今回の活動をきっかけに、木を扱うメーカーとしてできることから少しずつ
森林の保全活動に取り組んでいきたいと思っています。
みどり